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    秋月蓮華

    @akirenge

    物書きの何かを置きたいなと想う

    当初はR-18の練習を置いてくつもりだったが
    置いていたこともあるが今はログ置き場である
    置いてない奴があったら単に忘れているだけ

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    秋月蓮華

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    茂島二日目

    初期のころの連載途中で止まってるんだよな

    長月に一日一茂島 二日目数日中に台風が来るのだと知らせを受けていた。今のところはまだ南の方なのだけれども、
    かなりの威力で来るらしい。だから、暫くは雨が続くらしく涼しくはなるとは聞いた。本日は曇り空である。
    「台風が来ているということは秋なのだな」
    島田清次郎は分館の方で本をあさることにした。自分をモデルにした恋愛小説を書くことになったのだが、
    相手が斎藤茂吉である。付き合っている自覚はあるけれども、いざ書こうとすると何から書けばいいのかとなる。
    「……『月の華』……?」
    本棚をあさっていると帝国図書館文庫を見つけた。帝国図書館文庫はこの図書館に所属している文豪たちが書いた作品を
    文庫本にしたものだ。文豪たちは雑誌も出しているがこれは帝国図書館内に置かれている。
    最初期に出来た文庫本のようだ。清次郎は本を手に取って、椅子に座ると読みだした。
    とある場所にある図書館で働いている司書の少女と彼女の面倒を見ている青年と彼女と同期の青年が主要人物だ。
    この図書館はあらゆる本を、文学を守るという場所であったのだが、
    「……他の職員にぶん殴られたりしているな少女。と言うかこれのモデルは……」
    面倒を見ている青年はとても清次郎が知っている者であるし、同期の青年も知っている。
    本を守るという役目を持った彼女であったが、自由を失ったことがある後から来た青年に殴られたり、他の職員によって
    徐々に徐々に追い詰められていくという話だ。そして終盤近くになり清次郎は無言になる。
    『おーい。買出しに行ってく』
    「島田君。読書中か」
    「……今、終わったところだがこれを書いたのは……谷崎潤一郎、アイツか」
    買出しに行けと少女姿の『くま』に言われかけた気がするがそれよりも先に斎藤茂吉が清次郎に声をかけてきた。
    『かいだ』
    「この雨で外に出るのが面倒だからと島田君に行かせないようにしないでくれ。君はそれを抜かしても出不精だが」
    気が付いたら、やや強めの雨が降っていた。読書に熱中してしまっていたらしい。
    「『月の華』……最後の官能部分はなんだ。気合が入りすぎだろう。そして最後は図書館を燃やして司書と二人が逃走するとは、
    図書館に恨みでもあるのか」
    『それか?……成人向け版だな。そっち』
    「全年齢版もあるのか」
    『官能部分がカットされている。カットされても意味が通じるように書かれているが』
    「司書が怒るだろう……秋声をモデルにしたやつと織田作之助をモデルにしたやつと……」
    『それ、成人向け版の存在を秋声と司書はしらないんだ』
    「森さんから聞いたことがあるな。初期のころ、司書が精神的ショックを受けて徳田さんと織田君が守ろうとして、
    文豪たちが割れそうになったと。それをどうにかしたのがこの小説らしいが」
    モデルが特務司書の少女と徳田秋声と織田作之助だ。清次郎だって小説で自分自身をモデルにしていたり周囲をモデルにしたりしているが、
    官能小説部分が三人だし、司書に負担が来るならば図書館なんていらないと二人が行っていたり司書も図書館を燃やしたりしていた。
    『小林多喜二がな、アイツが喪失しかけたときに司書の地雷を踏んだりしてな』
    「そのころの話を俺はしらないが……そんなことがあったとは」
    『我も隠れていた時期だったし。……というかそれ、訳アリ小説でな。侵蝕されたり内容が持ち出されて劇にされたりしている』
    「……持ち出しが出来ないはずだろう。帝国図書館文庫は」
    『さすがに内容をノートに書き写されたりしたりされるのは防いでいないからな』
    防いでいないということはアルケミストパワーで防げるのだろうがそれまでやるとホラー展開である。
    帝国図書館文庫は持ち出しが出来ないようにアルケミストパワーがかかっている。何故ならばこれを書いたのは今の文豪だからだ、
    「『月の華』は読んだことがある。図書館を燃やすまで司書が追いつめられてしまうとは、彼女が楽になるたまめに燃やしてもいいと促した二人も二人であるが。
    やはり精神のケアは皆に必要だ」
    「アンタ、真剣に内容を考え込まないでくれ」
    『成人向けがあることは司書と徳田秋声には内緒な』
    「解った……恋愛の参考になるような、ならないような……いざとなれば燃やすか」
    『なんか通俗小説とか、とりあえず殺しておけみたいなのあるよな』
    「言いたいことは理解はするが、それだと推理物のように見えてしまう」
    この帝国図書館が対侵蝕者の前線基地として動き出して、五年以上が経過している。秋声も織田も古参だ。
    「……俺が転生して、二年にはなるのか。俺の記録でも見てみるか」
    『頑張れ。小説』
    「図書館を燃やしてはいけない。島田君」
    「アンタは……」
    ここで恋愛小説を書こうとしているなんて言えば余計にややこしいことになるので清次郎は伏せておくことにした。来月で清次郎は転生して二年だ。
    早いとなるが、
    「……アンタは俺の横にいてくれるな」
    「私が居たいからな」
    『お前ら二人で買出しに行け』
    『くま』が邪険にしている。清次郎の側には茂吉がいてくれた。医師として、最初はいてくれた。そのことを清次郎は想い出した。
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