五の許嫁に嫉妬する伏くん 俺と義姉を幼い頃から見守ってくれていた後見人兼保護者の男に許嫁がいると知ったのは10歳になったばかりの頃だ。
御三家と呼ばれる呪術界の名門家系のひとつ、五条家の嫡男であり、現当主でもある男だった。
相手は御三家ではなかったが、同じ呪術界ではそれなりに名前の知られた家系の一人娘。男より3つ下の朗らかな女性との事だった。その話を聞いた時、俺は正直言って「まぁそうだろうな」と思った。
男は性格の悪さは置いておいても顔はいいし家柄もいい。そして今の呪術界では最強と呼ばれる男だ。
そんな相手に嫁ぎたいと願う女性も、嫁がせたいと思う願う親も一定数はいるはず。だから、この話を聞いても別段驚くことはなかった。むしろそうなるよなって納得したくらいだ。
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