詳細は省くが俺らの四天王に耳が生えたらしい よく晴れ渡った、気持ちの良い朝。
いつもの癖で目が覚めた俺は、まだ眠っている仲間の布団の横を通って廊下に顔を出した。今日は出陣もなければ、早朝の当番にも当たっていない。だからもっと眠っていても良かったのだけれど、何となくそれも勿体無いような気がする。
まだ肌寒い空気にブルリと身を竦め、板張りの廊下を歩く。
この先には道場と台所がある。運が良ければ攘夷四天王の誰かに出会えないだろうかと、微かな期待もあった。
この攘夷戦争をずっと生き残ってきた彼らは、もはや生きる伝説のようになっている。
俺のような一兵卒がおいそれと関われるような人たちではなかったが、拠点などで偶然出くわしたときには、皆気さくに話しかけてくれた。
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