睦月 いつの間に初日は澄み渡った空の高いところで、燦燦と輝いている。毎年、今年こそは初日の出を拝もうと思いつつ、ついベッドの中で年越しをしたまま、眠りに着くのが遅くなってしまう。当然、初日が昇るまでにご来光が拝める場所まで辿り着けた試しはない。
まあ、いいか、私が見ていなくても日は昇るし、それ以上に見ていたい情景がある。
準備してあるおせちを食べたいし、雑煮も食べたいし、悟に食べて貰いたい。昨夜は無理もさせたしと、初めにこそりと起きた室内は、途中で空調を切り冷え切ったままだ。それでも情事の余韻が色濃く残る。寒いけど空気を入れ替えないと、厳かな雰囲気も何もあったものじゃないな。そして何より、毛布に包まれた気怠い雰囲気の悟に、またイタズラをしたくなる。
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