お留守になった僕の手に「類……演出家を少し休んでくれないか?」
司くんが、僕を真っ直ぐ見つめて言った。
突然のことに頭が追いつかない。ヒュ、と短く息を吸い言葉に詰まる。
「……ダメか?」
静寂を破って、追い討ちをかけられる。
ショックでどうにかなりそうだけど、このまま黙っている訳にもいかない。
「なんで……そんなことを言うのかな?」
小さく震える声しか出ない。泣いてしまいそうだ。
「さっきまで一緒に楽しくショーの話をしていたじゃないか。どうして……」
「ご、5分でいいんだ!」
僕が言い終わる前に、司くんが声を被せた。
「……え?」
「その……つまり……5分だけ、演出家を休んで、こっ恋人の時間をとってほしい……んだが……」
頬を染めながら、おずおずと話を続ける。
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