宿伏版ワンライ
(箱庭)
ショタ宿×セラピスト伏
伏を狙うショタ宿と狙われた伏のお話
目の前にはなにも入っていない箱が置いてある。
その横にはさまざまな種類の人形や家具を模様したフィギアなど、小さなものから大きなものまで。
白く塗りつぶしてある部屋の中、俺とセラピストの男だけの空間に玩具というには些か抵抗のあるそれは異様に目立つ。
「宿儺、好きに置いてみろ…自由に」
「…」
少し緊張を浮かべる瞳を覗き込めば俺が困惑しているのだろうと思ったのかにっこりと慣れない笑顔を浮かべるセラピストが言う。
自由に…などと、自由を知らぬ奴がよく吐ける。
「箱庭療法というやつだろう」
「え…」
俺の言葉にびくりと肩が跳ねるのが見える。
その動きに目を細めればしまったと顔を歪めた俺に目線を合わせるためにしゃがみ込む。
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