口は大災害の元。「そういやザガン、最近はあのエルフとどうよ?」
「無表情で家事をしていても声をかけると嬉しそうに返事をしてくれたり、城に帰ればどんなときでも出迎えてくれる所に毎回感謝している」
ーー想像の10倍は濃厚な惚気帰ってきやがった…
全く持って大した意味も興味も無かったというのに。酒場の一席にて、久しぶりに悪友と酒を煽っていたバルバロスは、自分の失言を深く後悔した。
「この前など、俺が本で見ただけの遠方の地の菓子を、わざわざ再現してくれてな。何気なく洩らしただけだというのに本当に察しが良いというか良すぎて泣きそうというか」
「いやうん。いいよもう分かったからお幸せに」
「あと最近はよく素直に膝に乗ってくれるんだが、頭を撫でると耳が微かに揺れるのが小動物のようで愛らしい」
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