兄弟げんか双子だからって、考えてること全てがわかるわけじゃないんだよね。お互いに意志があるんだから。
けれどうちの弟といえばそんなこと歯牙にもかけず、兄であるならば何でもわかってると思っているんだから非常に厄介だ。
それでいて、自分もどこかで同じことを思っているんだから‥
厄介厄介。
昼食をすませ、残っていた宿題を片付けようと椅子に座った時の事。
「悠太ぁ〜〜」
「え?‥‥んぐっ」
弟の少し上擦った声に振り返ろうとした瞬間、首に回された腕に息がグッと詰まり、背に人一人分の重力がのしかかった。
「悠太にお願いがあるんだけど」
「っ‥‥ちょっと、祐希‥首絞まってるから‥お兄ちゃん死んじゃう死んじゃう」
「‥どけたら言うこと聞いてくれる?」
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