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    ダリア(Dah.)

    杉山ダリア/Twinkissimo
    サガシリーズ中心💗ブルーとルージュと美少女💙
    Bluesky https://bsky.app/profile/brouge.blue
    イベント前後はくるっぷhttps://crepu.net/user/sg_dahlia
    個人サイトに活動まとめあります。http://brouge.blue/

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    ダリア(Dah.)

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    青紅初夜エアイベント用の双子仲良し小説です。原作EC後ブルー勝利ver.を想定しています。

    ##双子小説
    ##双子
    #サガフロ
    sagaFrontier
    #ブルー編
    blueEd.
    ##いい双子の日

    双子初夜(1) 地獄封印後、復興中のマジックキングダム。
     命術士たる教授達の助力もあり、同じく命術士の卵であったブルーは、自らが吸収したルージュを蘇生して精神を再び二人に分けた。融合してしまうと術力が伸びづらく、地獄の君主を前にしてもう少し鍛錬が必要であったと思い知ったからであった。
     資質は複製されて二人で同じものを持っているため、双子の命術士の誕生となった。時空術だけは二人分にはならず、それぞれ自分が得た資質を持っている。

     ブルーとルージュは学院が用意したマジックキングダム内の寮に住み、プロフェッショナルの術士として自由に学院の日々を過ごしていた。ルージュもはじめは様子を見ておとなしくしていたが、地獄の封印の要になった術士として学院全体が大事にしてくれるものだから、すぐに慣れて、前向きに活動していた。


     ある日ブルーは、先輩の女術士に面談室に呼び出された。
     彼女は双子姉妹で融合し、分離した命術士である。いつもは常に姉妹二人でいるのに、今日は一人であった。嫌な予感がして、ブルーは尋ねた。
    「封印に問題が起きたのか?」
    「大丈夫、そういう話じゃないの。ブルー、ルージュとはどう?」
    「どう、とは?」
    「毎日一緒に過ごす時間は取れていて?」
    「あ、はい。それは」
     ブルーとルージュが融合したあと、一度崩壊した学院が落ち着きを取り戻し、双子分離の儀を行うまでには、それなりの期間を要した。馴染んで一人になってしまった心を再び二つに分ければ、不安定な精神になる。二人で過ごす時間を多く持つように。一人であったことに慢心せず、互いのことをよく知るように努めよと、教師陣から忠告されていた。
    「今は地獄のことを記録に残す作業を共にしています。記憶が俺とあいつに分かれた部分もあるので、協力しないと。いや、協力というのはあいつの口癖でもあるのですが。あとは傍ら、食事へ行ったりなど…」
    「それは結構なこと」
     ブルーの報告に女術士は頷いた。
    「そろそろ、これからの話をしましょう。貴方達は無事に分離できたけれど、この先もしものことがあったとき、どうするのか」
    「……」
    「今の私は姉と魂が融合しているの。他のリージョンからの依頼で手伝いに行かなくてはならなくてね。強い術士が必要だったの」
    「まさか! 対決をしたのか?!」
    「そこなんだけども」
     妹であった女術士は咳払いをした。
    「一度融合と分離を果たした双子は、性的に結ばれれば、再び融合できるの」
    「セーテキとは…」
    「セックスすれば融合できるってこと」
    「そんな馬鹿げた話があるか!」
     ブルーは頭を抱えた。
    「そのような手段があるなら何故わざわざ殺し合いなど」
    「一度は宿命の対決を経て、器を作らなければいけないのよ」
    「……にわかには信用し難い」
    「では証拠を見せてあげる。いらっしゃい」

     無口になったブルーを、妹術士は寄宿舎の自室に連れて行った。
     室内は魔術の香の匂いが漂っている。その香が鼻を突くと、ブルーの脳裏に宿命の対決の光景が思い浮かんだ。あのときもこの匂いが漂っていたはずだ。
    「この匂いは…」
    「思い出した? 対決場に咲く花のお香よ。これを焚きながら、深く愛し合うの。身も心も一つになった時、二人は融合出来るわ」
    「……」
     寝室の二つのベッドの片方に、姉術士は寝かされていた。
    「姉さん、ブルーよ」
     妹術士は掛け物をめくって、姉術士の顔をブルーに見せた。確かに死体ではない。幸せそうな顔で眠っている。
    「早く達したほうが相手に吸収される。今回は姉が先にイッたから、私の勝ち」
     髪をかきあげながら色っぽく笑う妹術士に、ブルーは溜め息をついた。
    「信じられないが、本当なようだな」
    「どう? 出来そう?」
    「やらなければどうなるんだ」
    「有事の際にどうするかよね。その場で対決して融合するか、それもせずに不完全な術士のまま戦うか、もしくは安全な地域に退避するか。貴方達には地獄のことで負担をかけたから、何を選んでも咎めはしないわ」
    「……ルージュに相談してみる」
    「それがいいわ。二人のことだから、二人で決めて」
     二人は部屋を出た。自室に鍵をかけている女術士に、ブルーは聞いた。
    「あれはあのままでいいのか?」
    「魔力で守られているうちはね。もうひと仕事してきたら、姉に魂を返すわ。そうすれば目を覚ます。大丈夫よ、いつもそうしてるから」
     彼女はそう言い残して立ち去った。高スペックの融合術士として、他リージョンの困難な案件に応じるために。
    (魂とは返そうと思えば返せるものなのか。男女の営みなら想像もつくが、同性の双子でそれは可能なのか。分からないことだらけだ)
     ブルーはしばらく無言で、抜け殻の寝かされている部屋の扉を見つめていた。

    (続)
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