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    Hi4ko3

    スケベ絵気軽に置きたいと思って……

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    Hi4ko3

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    悪魔と神父パロネクマス。半分くらいAIのべりすとくんに手伝ってもらいました。

    ##世界樹

    あくまとしんぷさまのおはなし郊外にほど近い場所にある、小さな教会。
    そこには、淡い生成り色の髪をした神父様がいます。誰にでも優しくて、穏やかで、全ての罪を許してくれるお方。
    そんな素敵な神父様に、近寄る人影がありました。
    狐の耳と尻尾に、蝙蝠の羽根。
    鋭い牙に、まん丸の赤い瞳。
    そう、悪魔です。
    悪魔は羽根をはばたかせ、言いました。
    「ねえ、そこのお兄さん!俺と契約してみない?」
    ……間の抜けた悪魔は、神父様が神父様ということに気づいていませんでした。
    神父様は、悪魔の手を取ってにこにこ笑いながら言いました。
    「わぁ!君って本物の悪魔?凄いね!!」
    神父様は、悪魔の手を握ったままキラキラした瞳で続けます。
    「本当に僕と契約してくれるの?嬉しいなぁ!こんな素敵な悪魔さんと出会えるなんて!」
    悪魔は、神父様の予想外の態度にオロオロとしています。今すぐにでもここから逃げ出したいと言わんばかりです。
    「ねえ君、名前は?」
    うっかり物の悪魔は、名前を尋ねられてついつい「え?は、ハルツゲだけど……」と本当の名前を喋ってしまいました。気づいた頃には後の祭り。
    「僕はベージュ!よろしくね、ハルツゲ!」
    こうして、神父様と悪魔は秘密の契約を交わしたのでした。


    その日の夜のこと。
    ハルツゲと名乗った悪魔は、こっそりと教会から出て行こうとしていました。
    ところが。
    「待ってよ、どこに行くつもり?」
    後ろから声をかけられたのです。
    恐る恐る振り返ると、そこには神父様……いえ、ベージュがいました。どうやら気付かれていたようです。
    「べっ別に、散歩だよ」
    焦った悪魔は咄嵯に嘘をつきました。しかし、それが仇となりました。
    「ふぅん、そうなんだ。じゃあ僕も一緒に行っていいかな?」
    悪魔は、断れるはずもなく「うん……」と答えるしかありませんでした。
    二人は連れ立って歩き始めました。
    悪魔は内心ヒヤヒヤしながら隣にいるベージュを見つめています。
    ベージュの方は特に何も考えていないようで、鼻歌を歌いながら歩いていました。
    そして暫くすると、突然ベージュが立ち止まりました。一体何事かと思っていると、くるりとこちらを振り向いて笑顔を見せてきたのです。
    「ねぇハルツゲ!明日もまたここに来てくれる?」
    悪魔は思わず目を見開きました。まさか、また会いたいと言われるとは思っていなかったからです。「そ、それは構わないけど……」
    そう言うと、ベージュは嬉しそうにはしゃぎ出しました。
    「やったー!!ありがとう、約束だからね!!」
    満面の笑みを浮かべているベージュを見て、悪魔は少しだけ胸が痛くなりました。
    何故なら、悪魔にとって契約者はただの餌であり、利用価値のある道具でしかありません。それなのにこの神父様ときたら……。
    「ねぇ、今日は何をして遊ぼうか?」
    そう言って笑うベージュの顔はまるで天使のように愛らしく見えて。悪魔は、自分がとんでもない過ちを犯してしまったのではないかと思い始めていたのでした。
    次の日も、悪魔はベージュに会いに行きました。今度はベージュが迎えに来てくれました。
    二人で森の中を散策しているうちに、悪魔はベージュのことをもっと知りたくなってきました。
    そこで悪魔は思い切って聞いてみることにしました。
    「なぁ、お前ってなんで神父になったんだ?」
    ベージュは一瞬きょとんとした顔をした後、「ああ!」と言って答えてくれました。
    「僕ね、実は孤児だったんだよ。小さい頃に両親を亡くしたんだけど、それからは親戚のおじさんに引き取ってもらってさ。まあそのおじさんっていうのが今の教会の神父様でね。成り行きで仕事を引き継いだって訳なんだ」
    「へぇ〜、そうなのか」
    悪魔は感心して言いました。
    「うん。でも、神父の仕事自体は結構気に入ってるよ。だって皆幸せそうだもん。ほら見て、子供もあんなに楽しそうにしてる」
    そう言われて、悪魔は初めて子供がいることに気が付きました。確かに、幼い子供達はキャッキャと笑い合っています。
    「あの子達も両親がいないから、教会に引き取られたらしいよ。可哀想だよね。でも大丈夫!いつかきっと素敵な人と巡り会えるはずだから!」
    「……ふぅん」
    ベージュは目を細めて子供たちを眺めています。慈しむような、優しい眼差しです。
    悪魔は、ますます心が痛みました。そんな悪魔の気持ちを知ってか知らずか、ベージュは更に話を続けます。
    「それにしても、君みたいな悪魔がいるなんて驚いたよ。普通は悪いことする為に生まれた生き物じゃないの?それとも君は違うのかな?ねえ、どうして悪魔になんかなったの?」
    「…………」
    悪魔は、言葉に詰まってしまいました。
    ハルツゲは産まれた時から悪魔だったので、どうして自分が悪魔なのかなんて、考えた事も無かったからです。「ごめん、変なこと聞いちゃったみたいだね」
    ベージュは困り顔になりました。
    「いや、気にしないでいい」
    悪魔は慌てて笑顔を作りました。
    「……そっか。ありがとね、ハルツゲ」
    そうして二人は再び歩き始めました。
    暫くすると、ベージュは「あっ!」と声を上げて立ち止まりました。視線の先には小さな湖がありました。
    「ねえハルツゲ、ここでお昼ご飯食べない?」
    「えっ!?俺と?」
    悪魔は驚きました。「うん。嫌かな?」
    「べ、別に構わないけど……」
    こうして二人は湖畔で昼食を食べることになりました。
    ベージュが作ったサンドイッチはとても美味しくて、悪魔は夢中で頬張りました。
    「……どう?口に合うといいんだけど……」
    心配そうな表情のベージュを見て、悪魔はハッと我に返りました。
    「あ、ああ。すげーうまい」
    悪魔は正直な感想を述べました。するとベージュの顔がパァっと明るくなりました。
    「ほんと!?良かったぁ〜」
    そう言って微笑んでいるベージュを見ていると、何故か胸の奥がきゅっとなって苦しくなりました。
    悪魔は、今まで感じたことの無い感情を持て余していたのです。
    そして、悪魔はある決意を固めました。

    ***
    翌朝の事です。教会にお客さんが来ていました。
    揃って黒い服を着た、悲しげな顔の家族です。
    悪魔は、「ああ、誰かが死んだから教会に来たのだな」と思いました。
    ベージュは、泣きそうな顔の人達を慰めながら、死んでしまった人に向けて一緒にお祈りをしました。悪魔はその様子をじっと見つめています。
    やがて家族達は帰っていきました。一人残されたベージュを見て、悪魔は思わず呟きました。
    「あいつらは一体何の為に祈ってるんだろうな」
    「それはね……亡くなった人の魂が迷わず天に召されるように、だよ」
    いつの間にかベージュが隣に立っていました。
    「ふーん……」
    悪魔にはよく分かりませんでしたが、ベージュの言葉には不思議な説得力があるようでした。
    「ねぇ、ちょっと散歩しようよ」
    ベージュに誘われて、悪魔は教会の外に出ました。
    亡くなった人の入った棺桶が、墓場の穴の前においてあります。ベージュはそこで立ち止まりました。悪魔は、その様子を黙って見ていました。
    するとベージュは棺桶の蓋を開け、遺体を手馴れた手つきで汚れたずた袋に入れたのです。
    遺体の入ったずた袋は、古い荷車にどさりと乱暴に置かれました。
    悪魔は、目の前で何が起こったのか理解ができず、ぽかんとしていました。
    「これでよし。後は……あ、来た来た」
    ほどなくして教会の墓場に、見慣れない人物がやって来ました。どう見ても、信心深い信徒には見えなさそうな顔の男でした。
    「約束のブツはこれか?」
    男は、ずた袋を指さして言いました。
    「うん、今日のは40代の男性。脚が折れたショックと失血だから、内臓とかは健康だと思う」
    ベージュはいつものにこにこ顔で、なんでもないような事のように言いました。
    男はずた袋の中身を確認したあと、「確かに。これは今回の駄賃だ」とベージュに金貨の入った袋を渡しました。そして、そのまま荷車を引いてどこかへ行ってしまいました。
    「うん。こんなものかな」
    ベージュは金貨の数を確認して、袋をしまいました。
    悪魔は、声も出ませんでした。ただ、ベージュが男から受け取ったのは「金」だった事に気付いて、少しだけ安心していました。
    「じゃあハルツゲ!帰ろっか!」
    ベージュはにっこり笑って、悪魔の方を振り向きました。
    「……お前、なんなんだよ」
    悪魔は、絞り出すようにしてやっとそれだけを言いました。
    「え?僕?」ベージュは自分の胸に手をやりました。「僕は『運び屋』のベージュ。君も知っての通り、教会で働いているよ」
    そう言ってベージュは、にこっと笑いました。
    「そんなことを聞いてんじゃねえ!!」悪魔は怒鳴りました。
    「……」
    ベージュは、驚いた顔をしています。
    「……俺は、お前のこと、好きだったのに……」
    悪魔は、ぽろぽろと涙をこぼしました。
    悪魔は、ベージュとの契約を解除しようと思っていました。ベージュの事が嫌だったからではなく、ベージュの事が好きになってしまったから、自分みたいな悪魔と契約をさせてはいけないと思ったのです。
    「えっ!?ハルツゲ……泣いてるの?」
    「う、うるせぇ!!見るな!」悪魔は慌てて目を擦りました。
    「ごめんね。僕なんかの為に……」
    ベージュは申し訳無さそうな表情で謝りました。
    「……契約、解除する」
    悪魔は、ぼそりと言いました。
    「ダメだよ。君はもう僕の力を借りないと生きていけないんだから。それに、まだ僕のお願いを聞いて貰ってないよ。悪魔って、契約した人のお願いを叶えないといけないんでしょう?」
    ベージュは、いつもの笑顔でそう言いました。
    願いを叶えないまま契約を破棄するのはそう難しい事ではないのですが、めったに前例がないので悪魔には何が起こるのか分かりません。
    悪魔が一瞬口ごもった隙に、ベージュは「じゃあ今から僕のお願いを聞いてくれる?」とたたみかけました。
    「ハルツゲ。僕が死ぬまで傍にいて」
    ベージュは真剣な目で言いました。
    「……はぁ!?」
    「それとも恋人になって欲しい、って言った方が分かりやすいかな」ベージュは、悪魔を見つめて微笑みました。
    「ばっ……馬鹿かお前は!!!」悪魔は真っ赤になりました。
    「だって……僕は君のことが好きなんだもん。ずっと一緒にいたいよ」
    ベージュは頬を染めて、恥ずかしそうにうつむきました。いつものように、普通の人間みたいな反応です。
    さっきまで墓荒らしをしていた手が、悪魔のことを抱きしめました。
    信じられません。この男はおかしいとしか思えません。どう見ても人道に反することをしているのに、笑顔のまま表情が変わらないのです。そのくせ急に愛の言葉を囁いたりして、悪魔はベージュのことが恐ろしく思えてきました。しかし、悪いことは重なるものです。
    悪魔は契約者の「お願い」を「聞いて」しまいました。聞いてしまった以上、それは叶えられなくてはならないものなのです。「……分かったよ」
    悪魔は、ベージュの肩口に顔を埋めて小さく呟きました。
    「ありがとう!」
    ベージュはとても嬉しそうに笑って、悪魔の頭を撫でました。
    こうして二人は契約を結びました。
    それからの二人がどうなったのでしょう。
    幸せになったのか、不幸せになったのか、その終わりは、誰にも分かりません。
    おしまい。
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