断裂深夜。ネイサンは眠れなくなり、ベッドからそっと身を起こした。時計を見れば、3時を回っている。
「喉乾いたな…」
ネイサンは頭を掻きながらそう呟いた。それから、彼はベッドから離れて自室を後にした。キッチンに水を汲みに行こうと思ったのだ。廊下を歩いていると、明かりが灯っているのが見えた。手洗い場の方だ。ネイサンはフィリップかマーティンが用を足しているのだと思い、そのままその場所を通り過ぎようとした。
「う…ぐっ…」
刹那、呻き声が聞こえ、続いて水が床を叩くような音が響いた。ネイサンは驚き、手洗い場の方へと向かっていった。
「おい!大丈夫か…」
そう言いかけて、ネイサンは絶句した。目の前にいたのはマーティンだった。しかし彼は床に座り込んでおり、目の前には真っ赤に染まった洗面台が見えた。マーティンはぜいぜいと肩で息をしており、明らかに体調が良くなかった。
1327