女装れい(軍パロの赤安←沖) まだ懲罰の期間は数日残っているというのに、牢から出された。
といっても、自分の足で出たわけではない。意識を失っている間に運ばれ、目を醒ましたらまったく見覚えのない居室にいたのだ。清潔なベッドに寝かされ、身を清められ、傷には包帯が巻かれている。
ベッドサイドの椅子には沖矢が座って、自分の顔を見つめていた。鞭を打って散々自分をいたぶった張本人とは思えない、心配そうとさえ言える表情。つまり、ここは沖矢家の邸宅なのだろう。この男は自分を貶めたいのか利用したいのか、果てまたもっと別の目的があるのか。一貫性のない行動は理解に苦しむ。
部屋にはひっきりなしにメイドが出入りして、何かを準備していた。ドレープのたっぷり効いた青のドレス。肘の上まであるグローブ。ヒールの高いパンプスに、パールのネックレスに、ご丁寧に女性ものの下着まで。いかにも軍の男が喜びそうな深窓のご令嬢セットを用意して、一体何を企んでいるのやら。
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