プレテンドプレイ 番外編プレテンドプレイ番外編
「ギュスタヴはああ言ったけど、俺は男なんだ。お人形遊びはしないよ」
「……」
二人で遊んでおいでなさい、とギュスタヴに言われ、ディミトリは人形と一緒に渋々中庭に出てはみたものの、何をすればよいのか分からない。
人形は黙って俺のあとをついてくる。
二つの冷たい目が、俺を見つめる。なんだが居心地が悪い。振り切って逃げ出してしまえれば楽だが、ギュスタヴが見張っているし。
「イングリットだって、女の子なのにままごとよりも剣の修練のほうが好きなくらいだ。それなのに……」
「剣の練習……する」
人形が喋った。
どきりとして振り返るが、その目から喜びも期待も読み取ることはできない。ただ、淡々と話しているだけのようだ。
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