クリスマスの終わる夜に 夜の空気にすっかりと冷やされた身体を少しでもあたためようと早足で歩く。立て続けに入っていた仕事のおかげでろくに食事も出来ていなかったが、身体は食事よりも休息を欲していた。熱いシャワーを浴びて温かいものを飲んで早く休もう。そんなことを思いながらマヨイは寮の門をくぐった。
今朝出かける前までかわいらしく飾り付けられていたクリスマスの装飾はすっかり片付けられ、しんと静まり返る共有スペースを通ったところで人の気配を感じて、キッチンへと足を向ける。
この時間にキッチンに立つような人はひとりしか思い浮かばず、少しの期待を込めて覗き込むと思い描いていたしっぽ髪が見えた。
「あれ、マヨちゃん。今帰ったんすか? おつかれさまっす」
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