違う人間師匠にフラれて、僕は変わった。
何日も、何週間も、何ヶ月も僕は泣いた。一人になると涙が勝手に流れた。
地の底にいるような冷たい感覚。体が破れてバラバラになったみたいな痛み。
知らなかった。本当の失恋が、あんな苦しいなんて。
師匠が僕のために僕をフッたことは頭で理解していた。
でも僕は、師匠の人生に僕がもう必要ないと、他でもない師匠自身が判断し決断したという事実が辛かった。
師匠は
「これからもいつでも会える、師弟としてなら」
と言ったし、僕もそれを拠り所にしていた。
でも実際には、それから2年も連絡すら取ってない。
僕の中にあった、師匠を愛していて、師匠を必要とする部分、心のほとんど半分近くを引き剥がして、灰にした。
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