初恋エンドロール②「今日は何日だ?」
とんとん、とボールペンで問診票を突きながら、家入が問う。
白衣で紛れもなく医者らしく、脚を組んで虎杖と向き合っていた。
診察室が落ち着かないのか、虎杖は椅子の上でもぞもぞ尻を動かしている。部屋の角に立つ五条も、同様に気を短くしていた。
「あーっと、十二月、十七日だよな」
虎杖は虚空を見ながら、記憶をたどる挙動をして、今日の日付を言う。
「カレンダーや、スマホは見たか」
「うん、朝起きた時にスマホの通知チェックして」
「そうか、昨日のことで、覚えていることはあるか」
淡々と問診を続ける家入と、首を捻っている虎杖。
「えー、うーん、……あれ……」
「誰かに会ったとか、何か話したとか」
「んん……話したとは思うんだけど、誰に会ったまでは……あ、あれ……?」
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