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    稲荷娘

    @musumeinari

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    稲荷娘

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    ケダオペ、チゾメのCS
    空蝉桜のコンバートです

    兎の怨嗟ケダモノ名:チゾメ
    ケダモノ種:リュウケツザクラ(アンノウン)
    権能:慈愛
    欲望:庇護
    私は人間を護るもの、それこそが私の存在意義。
    疑似餌の姿:幻覚に囚われた貴婦人
    住処:桜の咲き誇る寂れた社

    いかなるケダモノ種にも属さないアンノウン。
    エンギウサギ、マンドラバラ、ノスフェラトゥに似た性質を持つ。
    人間に対して友好的だが常に幻覚を見ており、
    住処にしている寂れた廃村を未だ人で賑わう栄えた村であると思い込み守っている。
    この幻覚を否定すると狂乱し人に害をなすため注意が必要。
    幻覚を否定せず話を合わせている間は極めて温厚であり、村に迷い込んだ人間に彼女なりの"もてなし"を施す。旅人にあたたかな食事と快適な寝床を提供し、旅の無事を祈り時には加護を与えてくれることだろう。

    "主様"と呼ぶ人間の頭蓋骨を抱えた東洋風の貴婦人の疑似餌と本体で構成されており、本体はエンギウサギに似た桜の木が枝角のように生えたウサギ。
    しかし肉体の主導権はウサギではなく桜が握っているため寄生生物であるとも言われている。
    住処の周囲に生える桜を眷属とし、人を襲う際は刃のように硬化させた花びらで斬りつけ、血を吸う。疑似餌も戦闘能力を有し、エンギウサギの神通力と未来視によってその場の誰より俊敏に獲物を狩る。
    魂まで吸い尽くすと枝角に花が増える、その花は犠牲者の血と魂により染め上げられ花色、香りともに犠牲者の特徴を反映し、飲むと僅かな間エンギウサギのように未来を見る能力を得る

    かつては村の土地神として祀られていたケダモノであり、
    人間に友好的なのは人間を守ることを自身の存在意義として定義しているためであり、これを揺るがさないために幻覚を見続けている。

    最初期こそ幼体であったチゾメを人間たちはうまく利用していた。
    ケダモノにとって好ましい魂を持つ一族を神官とし、彼らの魂を死後チゾメに捧げることで生者の犠牲を出すことなく共存していた。

    が、長きにわたって魂を与え続けた結果、チゾメは大きく成長。今までの魂の量では足りなくなったが、常にある程度飢えさせるとより強い力を発揮することに気がついた村の人間により捧げものが増えることも無く飢えたままで放置された。
    それが終わりの始まりだった。


    伝説
    【失楽園】
    むかしむかし、ある所に小さな村があった。まだ幼い桜のケダモノに護られたその村はいつでも美しい桜が咲いていて、村人たちもみな花を飾り楽しく暮らしていた。桜のケダモノは平和な村と穏やかな人々が大好きで、神官達の一族と共に村を護るために日々力を注いでいた。

    さて、そんな日々が数百年続いたある時のこと。その代の神官の1人がいつものように桜のケダモノの様子を見ると、ケダモノはなんだか元気がない。どうしたのかと聞いてみれば、桜のケダモノは少し躊躇って、けれど意を決したように話し始めた

    「いつも通り捧げものを貰っているのに、なんだかとてもお腹が空くのです」

    体でも悪くしたのかと神官は心配したが、すぐにそうでは無いと分かった。
    幼かったケダモノは数百年の時の間にすっかり成長し、もはや成体に近くなっていたのだ。
    成長すれば、当然その体を維持するための食事量だって増える。それは他の生き物もケダモノも変わらないことだった。数十年に1度の神官の魂では、桜のケダモノは満ちなくなっていたのだ。

    これを聞いた村長は苦悩した。あのケダモノは有用だ、寿命で死んだ神官の魂を捧げれば外敵から村を護り、魂で醸造されたその蜜は飲めば幸運をもたらす。その力で村は安寧と繁栄を享受していたのだから、生贄を捧げることを嫌って始末することも出来ない。
    どうしたものか、としばらく様子を見て、ふと気がついた。

    桜のケダモノが作る幸運の蜜、それは彼女が飢えているとより濃く甘くなり、より大きな幸運を運び込むのだと。

    これはしめた、と村長はケダモノを今のまま、満たすことなく置いておくことにした。
    神官は常に腹を空かせたケダモノを哀れに思ったが、そのために人を殺す訳にもいかず渋々従い、代わりにこっそり果物を持っていたりした。しかしそれでも桜のケダモノが満ちることは無かった、それは魂でしか癒せぬ飢えであった。

    飢えで死ぬことがないように、今まで通りに寿命で死んだ神官の魂だけを与えられ…しかし、限界はすぐに来た。

    飢えて、飢えて、飢え果てた末に桜のケダモノは村ひとつを食らいつくした。ケダモノの加護で栄えた村は、一夜にして桜の木以外何も無い廃墟に姿を変えてしまった。
    荒々しい食事を終えて、正気に返ったケダモノは悲嘆と怨嗟の咆哮を上げた。人間たちの自分への仕打ちに、そして何より、獣性を律せなかった自分自身に。

    今まで生まれてからずっと人々を守ってきたケダモノは、人のいない生き方を知らなかった。廃墟で立ち尽くした彼女は、自分に良くしてくれたあの神官の髑髏を拾い上げて社へと戻り眠りについた。
    そして今日まで、あの幸せだった日々の夢を見続けているんだとさ。
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