義経主従のある一日 御曹司様〜!そう呼ばれ苦笑いを溢しながら義経は手を振り返した。
「ハハ…」
「すごいねぇ、義経様!大人気だ」
そう称賛の言葉をかける高綱に義経は苦笑いをこぼす。
「最近はいつもこうなんだ」
「それも殿の人徳あってのことでしょう。それとも…人払いをしますか?」
「いや、良い」
「はっ…しかし、あの女子たちもよく殿だと分かるものです」
「いや、それは弁慶がいるからじゃない?」
「は?」「えっ」
驚いたように言葉を重ねる主従に思わず高綱は笑い出す。
「あは、あははっ…気づいてなかったの!?」
「「ああ…」」
とまた言葉を重ねる様子に高綱は笑う。
「うぅむ…拙者の体格が良すぎるせいで…面目ない!」
「ははっ、そう頭を下げるな弁慶。構わん」
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