匂い④休日
今日も、映画を観るために五条先生の家を訪れていた。
「先生、おはよう。」
「いらっしゃい、ゆうじ〜」
「お邪魔します。」
部屋に入ると、リビングのテーブルにはポテチとコーラが用意してある。
ソファーには、呪力操作の特訓の時に使っていた呪骸替わりの、くまのぬいぐるみがちょんと座っている。
先生は意外とマメで、いつもこういう風に用意してくれている。
荷物を置いて、ソファーに腰を下ろした。
先生も並んで腰を下ろし、リモコンを操作しながら「そう言えば新作あったよ〜今日はこれね」と映画を選択してくれる。
俺はそれをぼうっと見ていた。
「ねぇ、悠仁。何かあった?」
ただ画面を観ていただけなのに、先生は何かを察したようだった。
1904