秀と百々人のこわい話 信じられないのに、どうしようもなくそれが現実なこともある。
地方ロケに出向いた秀と百々人、それに鋭心と付き添いのプロデューサーは、帰りのターミナル駅で解散した。鋭心とプロデューサーはそれぞれ用事と次の仕事があり、そのまま新幹線に乗って帰るふたりを秀と百々人は見送った。もちろんふたりも一緒に帰ればよかったのだが、今までさほど縁がない土地だったため、せっかくなら観光でもして帰ろうかと秀がこぼして、百々人がそれに乗ったのだった。二人とももう成人済みであるし、次の仕事もレッスンの予定も最短で二日後であったことから、プロデューサーも了承した。
「ぴぃちゃんとマユミくんにもお土産買って帰るね」
「くれぐれも怪我などしないように、気を付けてくださいね」
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