猫とたわむれる ︎︎トレイ・クローバーは疲れ果てていた。
︎︎なんでもない日のパーティーの準備が忙しかったりハートの女王の法律を破った寮生を叱りつけるリドルを宥めたり。先程まで後輩に勉強を教えていて一息つく暇がなかった。
︎︎時計は夜の七時を過ぎていた。トレイは廊下を歩きながら、明日の準備をしてお風呂に入って早めに寝ようと思った。
︎︎自室の前に着き、トレイはドアを開けた。
︎︎部屋に入るとトレイは異変に気付いた。
︎︎明らかにベッドの布団が盛り上がっている。誰か寝ていたのだ。
︎︎以前、部屋に戻ってきた時にデュース達が床で寝ていたことがあったが、他人のベッドで寝るとは図々しい寮生がいたもんだとトレイは少し呆れた。
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