最後の走り込みを終えて、軽く足を流してからグラウンドにどさりと倒れ込む。体温と変わらない空気に肺を焼かれながら、じっとりと噴き出す汗が気持ち悪い。ごろりと仰向けに転がると、突き抜けるような空の青が目に刺さった。
「なぁぎ、おつかれ」
「んー」
さらりと揺れる紫が影を作り空の眩しさを遮るけれど、凪だけに向けられる満面の笑みの方がずっと眩しくて目を細める。パチパチと目をしばたくと、目の前に水のボトルが差し出された。受け取ったものの、身体を起こしたくなくてそのまま側面をぺたりと頬に着ける。クーラーボックスの中に置かれていたボトルは外気に触れていなかった分少しは冷たくて、ひんやりと熱っぽい肌を冷ました。
「あつー……」
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