夜明け前、通話、布団の中。 夕食を終えて軽く体を動かし、それから風呂に入ったところで時刻は日付を越える二時間ほど前だった。あくびを噛み殺しながらベッドに横たわった真希は、生乾きの髪のまま布団の中に身体を滑り込ませる。
「んん……」
日中に悠仁と組み手をしていたせいもあってか、かなり疲労が溜まっていた。交流会を終えてからこちら、真希の日課と言えば一年生たちとの訓練だ。昨年末の百鬼夜行で手痛い敗北を喫して以来トレーニングを続けてきた真希は、禪院家の邪魔さえなければ一級術師に名を連ねることができるほどの実力を手に入れている。その力を衰えさせないようにするために、同じく一級まで上り詰めることができそうな一年生たちとのトレーニングはこれ以上ない訓練になっていた。
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