祈りにも似ていた百鬼夜行の後。一気に4級まで落ちた教え子を鍛える為、呪霊の湧く霊峰の上空へトび、落とした。
「え…?」
ぱっと手を離すと少し間の抜けた声が上がり、そのまま落下していく様を観察する。
特に何の説明もしなかった為、しばらく慌てふためいていたが、呪霊の存在を感知するとその動きが変わる。背中に背負っていた刀を抜き去るとすぐさま臨戦態勢に入り、落下のスピードを伴いながら呪霊へと刀を突き立てた。そしてそのまま地面へと降り立ち、残りの呪霊をばっさばっさと切り捨てていく。
「うん。いいね。ちゃんと対応できてる。ただ──」
全てを祓い終え、刀を鞘に収める憂太の姿に自分も地へと降り立ち声をかける。
「お疲れサマンサー」
「酷いですよ、先生。いきなり何も言わずに落とすなんて。」
1694