ヒーロー ──俺がヒーローになれたのはサーのおかげだよ。
──インターンでの経験が、今の俺をつくっているといっても過言じゃない。
──ほんの一年前は雄英体育祭でも最下位争いしてたぐらいだしね。
──え? 全然そんな風に見えない?
──でも本当の話。昔っから個性コントロールがからっきしでさ。雄英高校に入ってからも個性を使いこなせなくて、同級生たちにおいてかれてた。でもヒーローになる夢は諦められなくて。
──そんなとき、サー・ナイトアイに出会ったんだ。
「お前は強くなる。私の下(もと)に来なさい」
──サーはそう言って俺をインターン生として自分の事務所においてくれた。
──二年の雄英体育祭で成績の振るわなかった俺は、スカウトされるなんて思ってもいなかった。
1903