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    kishios_kindha

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    kishios_kindha

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    ディノ視点アシュグレ(探偵イベネタバレあり)

    #アシュグレ
    ashGray

    ジェイキッドマンの偽物が現れるという事件を解決すべく、俺はビリーワイズの協力の元、偽ジェイの正体探しに奮闘していた。時に現地へ赴き、時に情報整理を行う。仕事の合間を縫って行う捜査は着々と進んできている。
    今日はセントラルスクエアに設置されている監視カメラの映像の確認。膨大な量の録画映像からジャックに頼んでジェイに似た体形、髪色の人物をピックアップし、一つ一つ確認する作業だ。ジャックが頼りになるとはいえ量も多いし、ジェイ本人か偽物かは安易に判断できない。結局エリオスタワーの周辺に映るジェイの姿は本人だろうという結論に至り、セントラルスクエアにはジェイの偽物は現れないと判断した。
    「はああ、疲れたあ。ピザ食べたいね」
    「確かに疲れたな。引き上げるとするか。ディノもビリーもありがとう」
    「今日はここまでみたいダネ」
    少し不服そうなビリーくんはまだまだ元気そうだ。
    「ジェイもお疲れさま。ジャックも手伝ってくれてありがとう」
    過去の監視カメラ映像の再生を停止し、画面を元に戻す。モニターは日が暮れ始めた街並みを映し出した。数秒間で切り替わる映像は、時に人波を、時に石畳で舗装された道路を映す。
    モニターが正常に動いているのを確認して、俺達は立ち上がった。腕を大きく上げて背中の筋肉をほぐす。
    「ずっと画面を見ていると、目が疲れるな」
    ジェイがそう言って目頭を揉んでいる。慣れない作業に俺もクタクタで、ジェイのボヤキに同意した。
    そんな中ビリーくんは未だに画面を注視しているようだった。
    「どうした 何か気になったのかビリーくん」
    画面は数秒置きに切り替わるので、何が見えたのか俺には分からない。
    ビリーくんはニヤッと楽しそうな笑みを浮かべてジャックに頼んだ。
    「ジャック、レッドサウスストリートのレストラン街辺り映せる」
    「了解デス」
    ジャックがそう言うとモニターはレストラン街の映像を区分して多角的に映した。一体監視カメラは幾つあるんだ そう問いたくなる多さに、改めてエリオスのセキュリティーの高さを感じる。
    「ビ、ビリーくん。一体……」
    「HAHAHA~ もうすぐここに映るヨ☆」
    ビリーくんが指差した先は石畳の道路。人が居ない道路に走る人影が二人、すぐに消え去った。あれは……
    「グレイとアッシュか」
    「Yes ジェイ大正解~♪」
    ジェイの回答にビリーくんは元気よく頷いた。
    「しかしなんで二人は走っているんだ ジェイは何か知っている」
    「いや、俺も知らない。今日二人はパトロールのはずだが……」
    ジェイは首を傾げている。
    「何かを追ってる……というより、アッシュがグレイを追い掛けているようだよな」
    「そうだネ 恐らくだけど、アッシュがグレイもっとしごこうとして逃げてるんだヨ」
    「それにしても速いな。グレイはもう少し遅いイメージがあったんだが」
    ジェイは感心したように言うので、俺は「街中で追いかけっこするのは大丈夫か」と言いたくなる気持ちを飲み込んだ。リリー教官に見つからないことを祈るばかりである。
    グレイは建物の間を縫うようにして逃げている。アッシュもその背を追いかけて走るが、少しずつ引き離されている。縦横無尽な障害物競走は疲れるだろうに、アッシュは諦めず追いかける。
    「先を駆けるのはグレイリヴァース、追い掛けるのはアッシュオルブライト。通称アッシュパイセンです」
    突然始まった実況中継に、俺とジェイは思わずビリーくんを見た。二人分の視線を浴びながらもビリーくんは、ボールペンをマイクに見立てて言葉を紡いでいく。
    「実況は私、ビリーがお送りしま〜す☆」
    「ビリーくんすごいな、本当になんでもできるんだ」
    苦笑混じりで呟いた俺にジェイは笑って賛同してくれた。
    「逃げるグレイ 速いです。アッシュパイセンがじわじわ引き離されています」
    ビリーの言う通り、アッシュとグレイの距離が少しずつ開いていく。グレイは振り向くことなく走り続けている。
    「どうだどうだ グレイがレッドサウスストリートとセントラルスクエアを架ける橋を走って行きマス 遅れてアッシュパイセンも橋を渡り始めたヨ ジャック、タワーまで残り何メートル」
    「300メートルデス」
    ジャックが答える。その問答をしている間に二人は橋を渡り終え、カメラに背中を向けて走り去っていく。
    画面が切り替わり、レッドサウスストリートの街並みからセントラルスクエアの舗装道路へ。二人の姿も映っては過ぎ去る。
    「ありがとジャック。……残300メートル。残り300メートルを走るグレイ 障害物となりそうな物はもう無い。このまま振り切れるか」
    「200メートルデス」
    「後は持久力が試される……ってああっグレイ」
    画面ではグレイが地面に倒れている。恐らく滑ったのだろう。
    「グレイ すまない、俺はこれからグレイの様子を見に行く。恐らく大丈夫だろうが……」
    「わかった」
    頷いてジェイを送り出す。再びモニターと向き合うと、グレイは肘をついて顔を上げていた。よろよろと頼りなげに立ち上がろうとするその背後に、追い付いたアッシュが迫る。
    「アララ……アッシュパイセン追い付いちゃったヨ」
    まだグレイは立ち上がれない。道路で四つん這いのグレイに合わせて、追い付いたアッシュがヤンキー座りでグレイと視線を合わせた。そしてグレイの襟首辺りを掴み、乱暴に引き寄せる。
    ――グレイが殴られる。
    そう思い、即座に無線通信機を掴んだ。大喧嘩になる前に、ジェイに伝えてアッシュを止めなければ。
    グレイを引き寄せたアッシュが間近で何か呟いた。グレイはカメラに背を向けているので分からない。だがグレイのことだ、恐らく怯えているだろう。
    通信機の短縮ボタンを押す。
    アッシュは首を少し傾け、そっと顔を近づける。近づき過ぎて、アッシュの顔がグレイの頭に隠れた。
    「ーーへっ」
    「フワァ~オ」
    重なったのは一瞬の間だが分かる。あの二人はキスをしていた。
    そう、ラブアンドピースの証。キスを、あの二人が
    アッシュは掴んでいた手を離し、再び倒れそうなグレイに肩を貸して立ち上がった。
    アッシュとグレイを中心とした映像から暗転、再び街中を俯瞰した映像に切り替わる。
    「コレ以上はプライバシーの侵害ニ当タリマス」
    ジャックがヤレヤレと言いたげな表情でそう告げた。
    プライバシーの保護をするには遅すぎるよ、ジャック。
    気づかない間に通信機は繋がっていて、ジェイの『どうした ディノ』と心配気な声が聞こえて我に返った。応答しなければ。
    「ディノパイセン。ちょ〜っと借りるヨ♪」
    「うわっ、ビリーくん」
    ビリーくんがそう言って通信機を取り、俺の代わりに通信機に応答した。
    「もしもし、ジェイ。オイラだけど、グレイは足を挫いてるみたいなんだ。オイラ達もすぐに降りるネ」
    『ああ、分かった。ちょうど良いから湿布も持っていく。鍵だけ閉めておいてくれないか』
    「Gotcha」
    ピ、と通信を切ったビリーくんが肩をすくめる。
    「ディノパイセン。さっきアッシュパイセンがした事、ジェイにはナイショってことで」
    「……アッシュとグレイは付き合っているのか」
    ビリーくんのお願いを無視した俺の質問にも関わらず、彼は笑って答えた。
    「それには情報料が必要カナ」
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    Replies from the creator

    kishios_kindha

    DOODLEアッシュが自覚する話

    アシュ(→)グレ グレイが出ない上にアシュモブ♀の性行為描写有り
    地雷多数だと思うので、気を付けてください
    身代わり人形

    アッシュは基本的に女が絶えることが無いタイプの男である。
    金持ち、見目好し、頭良し。性格は暴力的であったが、女に手を上げるタイプではなく常識的だ。
    それでもアカデミーに在学中、アッシュと恋人関係まで持ち込めた人はいなかった。
    アッシュの周りにいる女は派手な遊び好きタイプが多く、セックスまで出来るガールフレンドは数え切れない。
    「ホテルのレストランで食事でもするか」
    いつもと変わらない手順。女友達はこれに頷くか、「割り勘なら」と断りを入れる。
    だから「えっ、私のこと嫌じゃなかったの」と目をパチクリするその女性に、アッシュは少なからず引っかかりを感じた。
    その日、アッシュが誘いをかけたレイチェルという名の女性はアカデミー時代の同級生で、ウエーブのかかった深緑のショートボブと強く引かれたアイラインが特徴的だ。どちらかと言えば美人な部類で、気立てのやさしいことで有名だった。
    アッシュが嫌う要素は少なくとも無い。
    学生時代になにか黒い噂でもあったか 過去の記憶を辿ってみるが、特に噂話も無かったはずだ。
    「嫌なら誘ってねえ」
    「うそっ、やったあ アッシュくんのオススメって 1875

    kishios_kindha

    DONEディノ視点アシュグレ(探偵イベネタバレあり)ジェイキッドマンの偽物が現れるという事件を解決すべく、俺はビリーワイズの協力の元、偽ジェイの正体探しに奮闘していた。時に現地へ赴き、時に情報整理を行う。仕事の合間を縫って行う捜査は着々と進んできている。
    今日はセントラルスクエアに設置されている監視カメラの映像の確認。膨大な量の録画映像からジャックに頼んでジェイに似た体形、髪色の人物をピックアップし、一つ一つ確認する作業だ。ジャックが頼りになるとはいえ量も多いし、ジェイ本人か偽物かは安易に判断できない。結局エリオスタワーの周辺に映るジェイの姿は本人だろうという結論に至り、セントラルスクエアにはジェイの偽物は現れないと判断した。
    「はああ、疲れたあ。ピザ食べたいね」
    「確かに疲れたな。引き上げるとするか。ディノもビリーもありがとう」
    「今日はここまでみたいダネ」
    少し不服そうなビリーくんはまだまだ元気そうだ。
    「ジェイもお疲れさま。ジャックも手伝ってくれてありがとう」
    過去の監視カメラ映像の再生を停止し、画面を元に戻す。モニターは日が暮れ始めた街並みを映し出した。数秒間で切り替わる映像は、時に人波を、時に石畳で舗装された道路を映す。
    モニ 3010

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