雨の日ハイプビースト×ワイルドスピード。ハイプの描写はないのでそっちはお好みで。
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「……」
どんよりした鉛色の空から雨がしとしとと降る外を恨めしげに見つながら、オクタンはベランダに繋がる窓に凭れ掛かっていた。
「散歩は無理だぞ」
「ー」
ソファでハックの手入れをしていたクリプトが目もくれずに言えば、不満げな声を漏らして長い尻尾をピシッピシッと床に叩きつけるオクタン。
ここ数日天気が悪く、日課の散歩ができてないことも尚更ストレスを増加させている原因だろう。連れて行ってやりたい気持ちは山々だがと思いつつも、傘をさすのも嫌い、合羽を着るのも嫌い、雨に濡れるのも嫌いとくれば「行かない」選択肢以外に取れるものはない。
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