全年齢のお話の進捗。「せっかく海に来たってのに……なんで、なんで! アオちゃんがいないんだよー!」
日光がさんさんと降り注ぐ海辺で、蒼井茜は絶叫した。その様に他の海水浴客は思わず振り向く。
「ヤシロさん達の電車遅延してるんだから、仕方ないじゃん……」
あまねはスマホをスワイプしながら答える。メッセージアプリの画面には寧々の焦った様子が伝わるメッセージやスタンプが並んでいた。
「うっわ蒼井先輩、何も泣かなくても」
三葉は茜に若干引きつつもなんとかなだめようとする。
「てか柚木先輩、弟さんはどうしたんスか?」
「や、何か海の家で買ってくるって言ったっきり戻ってこなくて……」
まあ毎回の様にどっか行っちゃうから、とあまねは光に答えた。
767