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    固定厨

    @katsu_jingai

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    ほしいも

    DONE緊急時連絡先届けと猗窩煉
    ■現パロ、同棲
    食事を終えると、食器洗いは恋人の担当。これは卒業を機に同棲を始めた恋人と、一緒に住み始めてから六日後に決まったルールだ。食事の準備は俺、食器の片付けは恋人、日々の掃除は分業だけれど、恋人は大雑把なところがあるのでこれから話し合いが必要だ。同棲を開始して間もなく一ヶ月目を迎えるというその日、水撥ねを嫌う割りに勢いよく流れる蛇口の水音に紛れて恋人の声が届く。流水の音に負けない、よく通る声だ。良く通る声なので、しっかりと聞こえたその問いかけに一瞬耳を疑った。
    「電話番号、教えてくれないか?」
    「は?」
    「君の連絡先、知らないから。」
     知らないなんてこと、あるんだろうか。真面目な顔をして何処か抜けている事の多い恋人だ、控え忘れていたとか、消してしまったとか、そういう事かもしれないと考えを巡らせる。巡らせた結果、確かに普段のやり取りはメッセージアプリしか使わない、個人の番号にコールしたことはなかったかもしれない。本当の本当に、知らないのだ。
     案の定、水飛沫で部屋着のシャツを濡らしている恋人が、俺が就職祝いに贈ったビジネスバックからクリアファイルを取り出して隣に腰を下ろす。ビジネスバックよりも 1509

    ほしいも

    DONE図書室デートをしている猗窩煉

    ■女子高生同士
     放課後の図書室。
     終礼のチャイムが響いたら、二人揃って同じ教室を後にする。図書室までの一階と数百メートルの距離を彼女の手を取って歩むのが、在学中で最も繰り返したデートコース。

    **

     三回巡らせた季節。四季の移ろいでデートコースの景観は随分と違って見えた。陽が長くなったとか、窓を開け放って流れ込んでくる風が気持ちいとか、夏を前に制汗剤の香りがするとか、冬の廊下は外よりも寒いだとか。特別な場所に行くわけではない、それなのに、私たちにとっては立派なデートだった。

     夕陽が差し込む図書室に通うのは、私たちだけではない。二、三年生の姿が多く、それぞれに自主学習へ耽ったり、本の世界に没頭したり、居眠りをしたりして自由に過ごしている。図書室は常に開かれていて、拒むことなく全ての生徒を受け入れてくれている。

     彼女は、家で待つ家族に図書室通いの事を、付き合っている彼女と蜜月を過ごしている。などとは言えず「受験勉強」という四文字で断りを得ていた。
     私はというと、世話になっている施設が門限さえ守りれば後は自由に過ごして構わないという放任主義だったので、完全下校の19時を知らせる鐘が鳴るまで 1447