穏やかな日々 黒の一帯が拡がるこの灰の大陸で、白い羽根を靡かせ颯爽と歩を進めるチョコボがいる。
その背に乗ったクライヴとバルナバスは、エーテルのある土地を求め当てもない旅をしていた。
この大陸中央部に入りもう幾日経っただろうか。今は見渡す限り険しい山道を、クライヴは同乗者が落ちぬように気を付けながら先を急いでいた。
「なぁバルナバス。確かこの近くに村があったはずだ。今晩はそこに立ち寄ろうと思う」
クライヴは腕の中に居るバルナバスに優しく話しかける。だが話し掛けられた当人からは、返事どころか身動ぎひとつもない。
クライヴが覗き込んだ青灰の瞳は閉ざされてはいない。だがそこに自我の輝きは見られなかった。
この旅の始まりはどのくらい前になるだろうか。
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