星をつないで:司レオ『――このように、⼈は古くから、夜空の星をつなぎ、星座として動物や道具に例え、物語によってそれを伝えてきました』
照明が落ちた室内は、静かすぎない静寂の中で、ゆったりとした時間が流れている。
『それではこれから、そうした星座の起こりや逸話を⼀緒に辿っていきましょう――』
スピーカーから流れる説明に⽿を傾けながら、ふかふかとした座り⼼地の椅⼦の背もたれに体重を預けると、ほとんど寝転んだような体勢で半球状のスクリーンを仰ぎ⾒ることになる。右隣では、同じように椅⼦に⾝を預けたレオがこの⼈⼯的な星空を⾒上げているはずだが、座席の間隔から、その表情などを窺うことはできなかった。それでも、確かな気配と共に、静かな様⼦でそこに収まっている。
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