石乙散文 寮の部屋にいたら、乙骨からメッセージが来て、「ここに来て下さい」と呪術高専の一角を指定して呼び出してきた。
監視対象の自分をひとりでふらふらさせていいのかよ、なんて思いながら、指定された場所に向かった。それは校舎の一番端の宿直室だった。
明かりが見えたので引き戸を開ければ、中は暖房が効いているのか暖かかった。昼間の気温はまだ高いが、日が落ちれば肌寒くなってきていたので、石流は中の暖かい空気が外に逃げないようにすぐに戸を閉めた。
「……………で?」
そして改めて部屋の中を見る。引き戸を入ってすぐは土間になっていて、段差をあがった先は畳の敷かれて和室になっていた。そこに自分を呼び出した主はいたのだが、部屋の真ん中にあるこたつに両足を突っ込んで丸くなっていた。
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