書庫にて 任務のあと世話になっている、ここ藤の家紋の家を宇髄は気に入っている。何故なら、広い書庫が備わっているからである。
尋常小学校の校長をしている主人が、児童書から流行りの雑誌まで幅広く揃えているのだ。読書用の机と電灯、椅子も据え付けてある。
それに本棚はいつもきれいに整頓されていて、出しっぱなしになっていたり、順番が違うなんてこともない。
何より本だらけのこの部屋でインクや紙のにおいを嗅いでいると、任務後の昂ぶった意識を平穏な世界へと変えてくれるのが良い。
他の柱や隊士たちには本など読まないと思われているだろうが、宇髄はこう見えてかなりの読書家だ。
鬼殺隊に入る以前、忍びの稼業では様々な階級の人に会ったり潜入していたので、それなりの素養がないと渡り合えなかった。バカではやっていけないのである。そう言う専門知識や教養を得るには本が手っ取り早く最適だ。
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