主従パロ没ネタ 男が笑う。それは優雅に。
その笑みは天使のような微笑みにもみえるが、それを向けられている自分からすれば「不吉の象徴」でしかない。
「ひどいなぁ。僕の笑顔はそんな風にみえるのかい?」
先程の笑みにふっ、と苦笑いを含ませて、彼はさらにおかしそうに笑った。
そんな彼が長く愛用しているアンティーク調の執務机に、両手を組み合わせて肘をつく姿は、いつ見ても様になっている。上に立つ者の威厳、そういうものを、彼は生まれつき持ち合わせていたかのようだ。
「どうかしたかい? ああ、渡した資料に何か分からない事があったら言ってくれないかな?」
目を細めてそう言うと、傍らに控えさせていた秘書に紅茶を淹れるように指示をして、こちらの出方を待つ。
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