「兄貴、ゴムなんて持ってるわけないよな?」
「ゴム?」
「うん」
「お前が使うの?」
「そうだけど?なに」
「いや別に。ってか誰とだよ」
「え?なんで怒ってるの?」
「お前にそんな相手がいたなんて」
「別に相手なんて関係ないだろ」
「そうか、おまえもそんな歳になったのか」
「その言い方なんだよ。どうせ持ってないんだろ。もういいよ」
「いや待て。兄貴の沽券に関わる」
「は?股間?」
「まあ、股間にも関わるがゴニョゴニョ(小声)」
「意味わかんねえよ。もう行くわ」
「だから!焦るな。持ってるだけじゃダメなんだぞ。使い方は知ってるのか?」
「バカにすんな!」
「すでに使い方まで知ってるのか!というか、すでに使っているとか…」
「ゴチャゴチャ訳わかんねぇ。時音と遊ぶ時に使うんだよ!使い方分からねぇわけねぇだろ!」
「え?時音ちゃんともうそんな関係に?(もっと早く手を出しておけばよかった…)っていうか時音ちゃんは遊びなのか?お前そんなんダメだろ。お付き合いするならちゃんとしてからにしろ」
「だから、意味わかんねえよ。昔から遊んでるだろ」
「良守、ちょっとここに座りなさい」
「…(いちお正座する)」
「お前は昔から時音ちゃんは遊びだったのか?幼なじみとはいえ、ふしだら過ぎだ。純粋な想いかと思ってた兄ちゃんの気持ちはどうなる。ゴムの使い方だってほんとに分かってるのかどうか。…うんたらかんたら」
「(やべえ、長ぇよ。なんで俺兄貴に説教されてるのかわかんねえ…)」
「で、ほんとにちゃんと使えるのか兄ちゃんが見てやるから」
「は?だってゴムないだろ?」
「ゴムならここにある(着物の袖からすっと出す)」
「え?なにそれ?」
「ゴムだろ。男なら常にいかなる時にも使えるように持っておくべきだ」
「あの…」
「ほら、さっさと脱げ」
「待てって!なんで脱ぐんだよ」
「脱がなきゃできないだろ?なんだ?脱がされたいのか?そうか、じゃあ遠慮なく」(すぽーん)
「うわぁぁやめろってぇぇぇ」
「なんだ、まだここ可愛いな。ツンツン」
「うるせぇ、ってかなにするんだよ!」
「ゴム使えるか見てやるって言ってるだろ。ほら、やってみろ」
ゴン(正守の頭に鉄拳)
「お前何か勘違いしてるけど、ゴムって髪の毛結ぶゴムだぞ?前髪邪魔だから留めたかっただけなのに、なんでこんなことになってるんだよ」
「は?お前がこの坊主頭にゴムなんて言ってくるからこっちに決まってるだろ。今さら照れるな。ほら(開き直り)」
「さ、触るな、あ、やだって、なんでそんな、あっ、あっ」
「そろそろいいか。ほら、付けてみろ」
「付けるって?」
「ほんとに知らないのか?仕方ないなら兄ちゃんが付けてやる。こうやって被せて、そーっと下に伸ばす」
「あっ、やっ、その下にクルクルするのヤバいって、気持ちイイぃぃ」
「そうか、こうやって上下にするともっと気持ちいいぞ」
「も、もうなんか、ヤバいって。漏れそう。離せっ」
「いいぞ、出しちまえ」
「あぁぁぁぁ、はぁはぁ」
「いい子だな。ちゃんとやれば出来るじゃないか。もしかして初めて付けた?」
「…ゴムが欲しかっただけなのに」
「だからゴムやったし、気持ち良かっただろ?」
「バカじゃないの…泣」
「これで、今度時音ちゃんとこうなっても困らないだろ?」
「時音とはこんなことしないし」
「そうか、悪かったな」
「こんな気持ちいいなんて知らなかった(小声)(兄貴に触られてドキドキする)」
「え?今なんて?」
「なんでもねえよ、バカ兄貴!もう知らねえ!!」
真っ赤になって部屋をドタドタ出ていく良守。
残された正守は我に返ると慌てて良守を追いかけた。