ある日突然、冨岡は不死川に告白される。「からかっているのか」と言えば、「誰がこんな、悪趣味なからかい方するかよ」と言い返された。正論だった。
しかし普段から、決して仲が良いとは言いない二人だ。むしろ不死川には嫌われていると思っていた冨岡にとっては、あまりにも予想外過ぎる告白だ。動揺しない方がおかしい。
返事は、するべきなのだろう。けれど、よく分からない。不死川と仲良くなれることは素直にうれしい。かといって、自身の「好意」が彼の「好意」と同じかと問われれば、首を傾げてしまう。
冨岡が考えあぐねていると、おおむね予想通りだったのか、不死川は頭を乱雑に掻きながら「嫌ってわけじゃねェなら、試しで付き合うのもいいんじゃねぇの」と告げる。
2435