どうしてこの腕に抱いてしまったのだろう。最初は、デカい動物に懐かれているような感覚だった。
それが、いつの間にこんな関係になってしまったのだろうか。
とりあえず。記憶している事から、順番に書いていこうと思う。
書いていくうちに、オレの中の気持ちの変化に気付けるかもしれない。
いや、まぁ。
変化なんて、どうでもいいんだけど。
「あれ? 幽助が女の子連れ込んでる!」
そう囃し立てるのが自分の実の母親なのだから、どうしようもない。
そんなはしゃぐお袋を一睨みし、よく見ろ!と小声で言う。せっかく寝ているのだ、起こすわけにはいかない。
「あら、美人」
ソファに座るオレの膝の上で眠る、その人の顔をお袋は覗き込み感嘆の声を漏らす。
「あんた、螢子ちゃんといい、面食いね。こんな美人を家に連れ込んじゃって、まあ」
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