魘夢さんから結核さんへあぁ、君は光る小人の手を取って行ってしまうんだね。あんなにも俺の見せてあげてた夢に溺れてたくせに。
ふふ、1度も振り返ることなんかなく、小人の手を取って明るい方へ。
行くといいよ、俺はただ、今後の君の不幸を願うだけだよ。
俺の居ない君の人生がただ不幸であるように。
こんなことなら、出会ったときに喰ってしまっておけば良かった。
ふふふ、と魘夢は1人笑う。
死に近い病気をかかえ、死を見つめていた彼の頼りなげな絶望の表情は魘夢にとって、好物であった。死の影に怯える彼の顔を眺めるのが楽しくて、ずるずると喰わずに手駒として使っていたのだ。
報酬としてのいい夢を見せてやっているうちに、彼の表情に魘夢への思慕が見えていたのも魘夢は知ってる。知っていた上で唇くらいなら、時々、許していた。
819