めめんともりもり歩いているか、立ち止まっているか。
その程度の違いに過ぎない。
彼の友人達は、彼自身がそうであるように、一様に無口で、穏やかで、安らかであった。少なくとも、彼にとっては。
「一応、どういうつもりか聞いておこうか」
「……ここは騒々しすぎたので」
人の部屋に勝手に入り込んでコレクションをめちゃくちゃにした男は、悪びれる風もなくこちらに向き直ってそう言った。ジョゼフの手元で、キシ、とサーベルの鞘が軋む。
「前から思っていたんですが、貴方は趣味が悪すぎます」
「奇遇だね。私も君のことが大嫌いだ。この惨状について申し開きがないなら、さっさと出ていってくれないかな」
「何故こんなことを?」
「この状況で私が答えると思うかい」
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