大きな悩みも二人なら些細なこと休憩明けの堂島さんは何やらしかめ面で悩んでいるようだった。
巡回中も少々上の空で煙草をふかしていたり。
堂島さんが悩むのは珍しい。
どうしたんだろうと気になり、夜の飲み屋で尋ねてみることにした。
すると、堂島さんはちょっと悩んだあと、急に真面目な顔になったかと思いきや、僕に壁ドンをしてきたのだ。
「なぁ…俺、やっぱりお前に甘えすぎているか…?もっと甘えたいと思うとき、あるんじゃないか、足立。」
「えっ…?どうしたんです、急に。」
驚きのあまり僕は目を右往左往した。
無理もない。
大好きな堂島さんの顔が目の前にあるのだ。ちゅーでもされるかと思い、心臓がうるさい。
でもなんだってそんなことを考えたんだろうか。
「僕いつでも堂島さんに甘えっぱなしだと思いますけど…どうしてそんなこと思ったんです?」
「…その、たまたま入ったコンビニで、女子高生たちが話していてよ…。『触らせてもらえないと甘えられないって思う』って話を聞いてな…。その、お前あんまり俺にさわろうとしないから…気にしていなかったんだが…甘えづらいのか?」
なにかと思えば、たかが女子高生の世間話に影響されての考えだったのか。
まぁ、それほどに僕との関係を大切に思ってくれているんだとはわかったが、それでも、僕の本心を聞く前に女共の意見を優先したことにしゃくがさわった。
「へぇ…それで、堂島さんは僕の考えを聞く前に女の子達の意見をもとに行動したと?」
「…ん?」
「じゃあ、僕がこういうことしたくてたまらないっていつでもいっていいってことですか…?」
僕はそういうと、堂島さんの胸の辺りからズボンの中心までゆっくり指を滑らせた。
堂島さんは指の先を目でおっていき、ズボンの中心に触れるとぴくりと反応した。