西真〉癪だから言いたくない カーテンの隙間からもれた陽光を顔に浴びて、真島は目を覚ます。ボロ部屋の煎餅布団…ではなく、いかにもセレブっぽいマンション、上等なベッドの上で伸びをする。
グランドまでの距離は少し遠いが、このマンションが今の住居である。といっても、持ち主は真島ではないのだが。
真島は隣で寝ている、このマンションの持ち主である男を一瞥する。西谷誉。彼の自宅に同棲している身である。
起こしてしまわないように静かにベッドを降りた真島は、服を拾って部屋を出る。
別に言われたわけでは無いが、西谷が家賃やら生活費などを真島から全く受け取らないので、代わりとして食事や掃除を請け負っている。
冷蔵庫の白米を温めている間に味噌汁、おひたし、卵焼き、など簡単ではあるが朝食を準備する。
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