観用少女パロなぎのの観用少女(ブランツドール)。
『名人』と呼ばれる職人によって作られた至高少女たち。そのどれもが目を惹く美しさを持ち、かつ生きて私たちに語りかけてくる不思議な存在。
その摩訶不思議な存在を知るようになったのは、大学生のアルバイトとして選んだ、昔ながらの古本屋に勤めてからだった。
「遅くなっちゃった…帰りのバス間に合うかな…」
こつこつと軽いヒールの音が響いていたのが、赤信号をきっかけに、ピタリと静かに止まる。信号が赤になっているままなのを確認して急いでスマホで調べると、まだバスの到着まで10分ほどあることを指していた。
よかった、と胸を撫で下ろすとともに、
ーー視線を、感じる。
普段感じることのない、えもいわれぬ強い視線を感じ、全身を硬直させた。恐る恐る視線を送る主を確認しようと横を振り向くと、そこには西洋風のおしゃれな外観をしたショーウィンドウと、可愛らしく着飾られた美しい人形たちが静かに眠っていた
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