星を見ていた 路地裏に、荒い息遣いが響いている。サカキとコジロウの二人は、それぞれ膝立ちでアスファルトに座り込んでいた。預け合っている互いの背が激しく上下するのを肌で感じる。
足元には、ポケモンバトルではなく凶器や肉弾戦で、サカキに奇襲をかけた男達が転がっている。数の多さに、無傷の勝利という訳にはいかず、共に返り血で血濡れていた。
頭部から頬に伝い落ちる血を拳でぐいと拭いながら、サカキが言った。
「スマンな。ロケット団の首領ともあろうものが、不甲斐ない」
「い、いえ」
とは言うものの、コジロウとてそれなりに貢献したつもりだが、拳や足技で男達のほとんどを沈めたのはサカキだ。
「帰って、傷の手当てをしよう。行くぞ」
二人で地を踏み締め立ち上がる。サカキに肩を貸しながら、オレだって頑張ったけど、ぼろぼろのサカキ様を見たら、マトリやムサシ、ニャースに怒られるんだろうなあと想像しながら、コジロウは天を仰いだ。
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