あなたが欲しいもの「っ、は……はっ、ぁ」
オレの下で、白い肌を真っ赤にさせて肩で息をしている村雨を見下ろす。細く綺麗な指はシーツをしっかりと握っているが、力は入っていないらしく小さく震えていた。その手に自分の手を重ねると、随分と緩慢な動きで手がひっくり返され、弱々しく指を絡められたから、できた隙間を埋めるようにしっかりと握りこむ。そうすると顔だけ横を向いた村雨が、その手を顔のすぐ横まで持ってきてすり、と擦り寄った。甘えるような仕草に、入れっぱなしのブツが反応しそうになる。
オレはたった今、村雨を抱いたところだった。
恋人という関係になって一ヶ月。普通の恋人がどれほどのペースでセックスをするのかなんて相場は知らないが、オレからすれば十分待った、と、思う。
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