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    ゆきこ

    軌跡のロイド沼在中、支援課箱推し。ロイド君を中心に色々雑多に放り投げてます。正直地雷原のようなものだと思うので自衛をお願いいたします。
    Rとかこれはちょっと、という話はこそフォロ限定にしておりますがどうかご了承くださいませm(_ _)m

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    ゆきこ

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    支援課がわちゃわちゃしてるだけの短い話。フォロワーさんがロイド君の上着について呟いておられたので、私はこう思ってるよ、というのを書いてみました。いやだって、最初からロゴ入りのジャケット着てるのはおかしいし、きっとこういうやり取りがあったのではと。ちなみにバッジも各々どこかにつけてはいるけど、一緒に行動してる時はロイド君が手帳を見せれば身分証明は終わるのであまり出番はない、かもしれないですね!

    #軌跡
    locus
    #特務支援課

    ここに残るかどうか迷っていたロイドも腹を括り、特務支援課が発足し。本格的に業務を始めようかというこの日、端末を確認したロイドたちが出掛けようとしたところでセルゲイから待ったがかかった。

    「おい。お前らに渡すモンがあるからちょっと待て」
    「渡す物、ですか?」
    「ああ。業務上、お前らは一般市民と接する機会が多くなる訳だが、警察官の制服じゃ威圧感を与えちまうかもしれねえ。かといってその格好じゃ警察とは信じてもらえねえ可能性もある。なんで一応、C.S.P.D.――クロスベル警察のロゴの入った揃いのジャケットと、SSS――特務支援課のバッジを用意させた」
    「あら。確か服は自由だって聞いた覚えがあるのですが」
    「ああ、自由だ。だから着たくなきゃ別に着なくてもいい。……が、ロイド。せめてお前ひとりくらいは着とけ」
    「え、俺ですか?」
    「ああ。こいつもリーダーの役目だと思ってくれ」
    「わ、わかりました……」
    「おーおー、リーダーってのも大変だねえ」
    「他人事のように言ってくれるじゃないか。で、ランディは着ないのか?」
    「俺か? ん~、あんま似合いそうにねえし、俺はパスかな」
    「私も、遠慮させてもらおうかしら」
    「そ、そうか……。えっと、ティオは?」
    「私が着るとでも?」
    「だよな。……はあ、ま、良いけどさ。みんな、今着てる服がよく似合ってると思うし」

    ロイドがため息をつきながらぽろりとこぼした言葉に、セルゲイとロイドを除く3人はぱちりと瞬きをして顔を見合わせる。

    「……なあ、こいつ今、さらりと何か言わなかったか?」
    「言ったわね。……この何日かでうすうす察してはいたけど」
    「これはとんでもない人タラシの予感がしますね」

    そしてロイドが着ていたジャケットを脱いでロゴ入りのジャケットに着替えるのを横目に見ながらぼそぼそと小声で会話を交わしていれば、着替え終わったロイドは怪訝そうな顔で3人を見つめる。

    「何か言ったか?」
    「何でもないわ、ロイド。気にしないでちょうだい?」
    「けど、今何か言ってただろ? 俺のことじゃないのか?」
    「大したことじゃねえから、な?」
    「……怪しい」
    「全く怪しくありません。それより、そろそろ業務を始めた方が良いのでは?」
    「思いっきり話を逸らそうとしてないか?」
    「……お前ら、いつまでくっちゃべってる。着替え終わったのならさっさと仕事を始めろ」
    「あ、は、はいっ!」

    セルゲイの鶴の一声にその話はうやむやになり。受け取ったバッジをそれぞれしまいながらほっと胸をなでおろした3人とそれをじと目で見たロイドが外へ出て行くのを眺めたセルゲイは、何とも賑やかなこって、とため息を落とす。だがその顔には微かに笑みが浮かんでいて。
    こんな風に賑やかなのも悪くないと、そう思っているのは明白だった。


    「そういやロイド。お前、上着のベルト、ちゃんと締めるんだな?」
    「だって、そうしなきゃ動きづらいだろ?」
    「そ、そうか。……ま、お前にゃ似合ってるし良いか」
    「それってどういう意味だよ?」
    「まだまだお子ちゃまってことだよ」
    「ランディっ!」

    ~・~・~

    オークション会場でキーアという少女を保護してから数日。
    ルバーチェからの報復、あるいは接触があるかもしれないと通常の業務は全てストップして、支援課ビルに缶詰めになったロイドたちは少し暇を持て余していた。

    「はあ、暇だなあ」
    「そんな事言っても仕方ないだろ? ランディ」
    「とはいえ、確かにちょっと暇よね。何かここでも出来る事があれば良いのだけど」

    一階に集まってそんな会話を交わすメンバーはビルの中ということもあり上着を脱いでいて。
    椅子の背にかけられたロイドの上着を見たキーアが、目をキラキラと輝かせながらこれ、着てみたい、と言い始めた。

    「え? これ……って、俺の上着?」
    「うん、そう! あのね、なんだかカッコいいなあって思って」
    「何だよキー坊。俺の方がカッコいいだろ?」
    「えっとね、ランディもカッコいいんだけどね? キーアはロイドの方がカッコいいと思うな!」
    「あら。キーアちゃんはやっぱりロイドが一番好きなのかしらね?」
    「く、お子ちゃまには俺のアダルティーな魅力はわからんか」
    「それ、言外にロイドさんはお子ちゃまだと言ってますか? ランディさん」
    「っな、ランディ!?」
    「あ、こらっ、余計な事を言うな、ティオすけ」

    途中で少し話が脱線したものの、ロイドがキーアの頼みを断るはずもなく、サイズがかなり大きいロイドの上着を羽織ってくるくると回りながら嬉しそうにはしゃぐキーアを見ていると退屈も紛れ。
    その後、キーアにせがまれる形でエリィとティオもロイドの上着を羽織り、やっぱりあなた結構肩幅があるわよね、だの、大きすぎてちょっと重たいです、だのと言う中、自分だけ蚊帳の外みたいで少し面白くないランディが無理やりジャケットを羽織ろうとしてロイドに怒られる光景が繰り広げられ。
    やけに賑やかだな、と課長室から出てきたセルゲイは、その様子を眺めながらあいつら状況がわかってるのか? と呟いたのだった。
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    ゆきこ

    TRAINING赤ずきんパロ、だったはずのもの。もはや別物だけど。原因は初対面の人間(狼)にお前を食べるって言われたら、ロイド君は絶対食べる(物理)って解釈するよなあと思った事。で、それに合わせて弄ってたらこんな事に。
    なお引いたお題は『赤ずきんパロディ。久々に獲物を見つけたリィン。赤ずきんのロイドに襲いかかるも、逆手に取られてしまう。“食べられる”のは、どっち?』だった。
    ロイドが狼なリィンを餌付けする話「ランディの所に届け物をしてきてもらえない?」

    ある日、エリィにそう頼まれたロイドが向かったのは、森の奥深くにある彼の住む狩猟小屋。
    もう少し町に近い所に住めば良いのに、まあ以前は俺も住んでたんだけど、などと考えながらロイドが森を歩いて行くと、目の前に犬のような耳と尻尾が生えた、ロイドよりも少し年下に見える男が立ち塞がった。

    「その手に持っている物を置いていけ!」
    「ダメだよ。これはランディへの届け物なんだ」
    「ランディ…って、あの小屋に住んでいる狩人の?…君はあの人の知り合いなのか?」
    「そうだよ。俺はロイド・バニングス。この近くの町に住んでいるんだ」
    「あ、俺はリィン…って、自己紹介してる場合か!?」
    「だってランディの知り合いなんだろ?あれ、もしかして違ったか?」
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    ゆきこ

    DOODLEタイトルまんま、支援課がわちゃわちゃっとしてるいぬの日に因んだらくがき。前に上げたねこの日を踏まえた話だけど、ねこの日にキーアに押しきられて全員(課長やツァイト含む)でねこみみをつけた事だけ押さえておけば読めるはず。なお今回はノエルとワジは欠席です(^_^;)
    初期面子でわちゃわちゃしてるの、やっぱり好きだなあ。人数的にも動かしやすくて丁度良いんですよね。またそのうち何か書けたら良いな!
    支援課でいぬの日の話 2022秋も深まってきた11月1日。
    この日も朝から忙しく支援要請をこなしていたロイドたちがビルへと戻ったのは、夕刻、もう日が沈んだ後の事だった。
    今日の夕食当番はロイドとティオだったが時間も気力もあまりなくて。少し寒いし簡単に鍋にでもしようかと話をしながら入り口の扉を潜れば、途端に4人の鼻孔を良い匂いがくすぐり。
    もしかして、と顔を見合わせた彼らがキッチンを覗けば、そこには予想通りエプロンをつけたキーアの姿があった。

    「おかえり、みんなっ! 疲れてるだろうし、今日はキーアがごはん、作ったよ?」
    「ただいま、キーア。助かるよ。帰りも遅くなっちゃったし、正直今日はあまり作る気力もなかったからな」

    にこにこと笑顔を浮かべるキーアとその頭をなでるロイドという何とも癒される光景に自然と全員が笑顔になり、その後和やかに夕食の時間は過ぎていったのだが。
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