ねむり姫またはいばら姫 ちょっとした事情でレンブラン家に身を寄せることになったその週末、夕食後にミオリネが持ち出してきたのはアニメーション映画のブルーレイディスクだった。
聞けば、「あんたと一緒に見ようと思っていたの」とのこと。何でも来月開催される学芸会で、五年生の出し物である劇の主役のひとり(前半後半で交代するWキャスト)に抜擢されたらしい(ちなみに、六年生の出し物は合奏だ)。例の映画はその件に深く関わりがあるそうだ。
「ふうん。五年生は何の劇をするんだい?」
「『眠れる森の美女』よ」
ミオリネがばーんと掲げて見せたブルーレイディスクのパッケージにも同じタイトルが書かれている。
「劇に向けて予習しておくの」
ミオリネがふふんと笑う。ということは、
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