爆発するね「深幸くん、オレ五分後に爆発しちゃうかもしれないんだ」
出し抜けに現実離れしたことを言う涼を見て、自覚できるほどにぽかんと口を開けた。何かの比喩だろうか。思考を巡らせたが、
……思いつかない。
「えっと、爆発って?」本音を言えばあまり話題を広げたくないが、このまま放っておくのも忍びないので恐る恐るたずねる深幸。
「爆発。エクスプロージョン。ビッグバンだよ」
涼は説明にもなっていないことをのたまい、空に向かって両手を伸ばす。つられて空を見上げた。雲ひとつない快晴だ。
「………………。むしろ平和じゃね? それとも、嵐の前の静けさってやつか?」
「そうだね。今は星がよく見えないから……ちょっと静かかも」
会話が繋がっているようで、少しズレた平行線をゆったりと辿りはじめている。それに気がついた深幸は呆れて肩をすくめた。
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