歩くような速さで連絡を受けてすぐに言われた病院へ向かった。
どうやら、最後の通話履歴にあったのがオレの名前だったから、話を聞きたいということらしい。
冬弥が事故にあった。
冬弥の家の近くにある、少し脇道に逸れた通りの横断歩道で車にぶつかったらしい。
オレの焦る声が電話越しにも伝わったのか、事務的なその声は命に別状はないこと、詳しい検査は終えていないが、簡易検査上は大きな問題はないこと、一番大きな怪我は左腕の骨折だということ、その骨折も決して酷い状態のものではないということを教えてくれた。
それから、現在冬弥の父親が病院に来ているということも、その父親がオレの証言を求めているということも。
慌てて部屋を出たから、たまたまドアの近くにいた絵名とぶつかりそうになったが、今はそんなことを気にしていられない。
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