死線を越えて、最愛と 堪忍袋の尾が切れた、というよりも、諦めや絶望の気持ちに近かった。
最近ルシファーとした約束は悉く破られ、それでも私はいい子を演じることをやめられない。それに怒って呆れられ、嫌われるくらいなら離れた方がいいと思った。ただそれだけだった。でもそれすらも許してもらえなくて問い詰められたのがついいましがたのことで、私が本心を曝け出す以外の道は残されていなかった。
「ルシファーのせいじゃないってわかってる。だけど理解できても受け入れられないことだってあるの、わかる?」
「……」
「傷付くのはもう嫌だよ……だから、もう約束しない。約束するような関係でいたくない」
「それは、」
「ごめんねルシファー。大丈夫。何もなかった頃に戻れるよ、ルシファーも、私も」
5582