かきかけの昂衛暗闇の中で優しい光がゆらり、と揺れた。
隣にあったはずのその光は気づくと、手の届かない場所で気ままに舞っている。
手を伸ばしてみるが、光はそれを気に留めることも無く自由にゆらゆらと揺れていた。それを俺は穏やかな気持ちでみまもる。
かと思えば遥か遠くに飛んでゆき、二度と戻ってくることはなかった。
嫌な汗をかき、呼吸を乱しながら柔らかなシーツから跳ね上がる。
隣を必死に探れば、温かな体温とすやすやと寝息をたてる愛しい男がいた。それを確認し、安堵の息を漏らす。
その男の手を優しく包み込むと、ふたたび眠りについた。
カーテンの隙間から零れたひかりに起こされ、衛は目を覚ます。
なんでも完璧にこなす年下の彼は、完璧に見えて朝が苦手だった。人よりは強い方だとは思うが、眠りの浅い自分から見ればそんな所も可愛いところであった。
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